原価管理(実行予算・S字カーブ・コスト管理)は
「分類・乖離・数値判断」を理解すれば得点できる分野です。
過去10年(平成28年〜令和6年)を分析すると、
出題パターンは完全に固定されており、
「原価の分類」「S字カーブの乖離」「EVMの数値判断」が繰り返し問われています。
重要ポイントは次の3つです。
原価分類(現場管理費と一般管理費の違い)
S字カーブ(上方乖離・下方乖離の意味)
EVM(CV・SV・CPI・SPIの判定)
つまり試験では
「費用の分類」+「進捗の読み取り」+「数値からの状態判断」
が正確にできるかが問われています。
この記事では
過去10年の出題パターン分析
実行予算の原価分類を一級レベルで整理
S字カーブの乖離とひっかけポイント
EVM(CV・SV・CPI・SPI)の完全理解
を体系的に解説します。
はじめに
私は今年、一級建築施工管理技士(一次検定)を受験するにあたり、
原価管理を徹底的に見直した。
最初にハマったのはこれだった。
- 用語は分かるのに問題が解けない
- S字カーブは知ってるのに判断を間違える
- CV・SVは覚えたのに選択肢で迷う
- 原価の分類問題で確実に落とす
ここで気づいた。
一級の原価管理は「用語暗記」ではなく「判断力の試験」
過去10年の出題を分析すると、問われているのはこの3つ。
- 原価の「正確な分類(現場管理費 vs 一般管理費)」
- S字カーブの「乖離の意味」
- EVMの「数値の解釈(異常状態の判断)」
つまり、
「現場の状況を数字で説明できるか」が問われる
この記事では、
ひっかけ・誤答パターンまで完全に潰す一級レベルの内容で解説する。
実行予算
実行予算は原価管理の基準であり、分類問題の出発点。
出題年度+論点(代表例)
- 令和5年:原価構成
- 令和4年:費用区分
- 令和3年:間接費の内訳
- 令和2年:現場管理費
- 令和元年:一般管理費
原価構成(最重要)
【基本構成】
- 直接工事費(※材料費、労務費、外注費など直接的な費用)
- 共通仮設費(※仮設建物、運搬費など現場全体で使う費用)
- 現場管理費(※現場運営に必要な間接経費)
- 一般管理費(※本社の維持管理に必要な経費)
一級で差がつく「分類」
ここが最重要。
■ 現場管理費
現場に紐づく管理費
- 現場監督の給料
- 現場職員の福利厚生費
- 退職金(※現場従事期間分)
- 事務用品費(現場)
- 通信費(現場)
(※補足:現場で使用する「保険料」や「租税公課」もここに含まれます)
■ 一般管理費
会社全体にかかる費用
- 本社経費
- 役員報酬
- 本社の光熱費
- 営業費
(※補足:現場とは直接関係のない「研究開発費」や「広告宣伝費」もここです)
出題パターン分析
超頻出ひっかけ
- 「現場監督の給料 → 一般管理費」 → ❌
- 「本社の費用 → 現場管理費」 → ❌
正解
- 現場に紐づくかどうかで判断
試験の核心
「誰に紐づく費用か」で瞬時に判断できるか
S字カーブ
S字カーブはグラフ問題ではなく“状況判断問題”。
出題年度+論点(代表例)
- 令和5年:進捗評価
- 令和4年:遅延判断
- 令和3年:出来高比較
基本理解
- 横軸:時間
- 縦軸:出来高累積
一級で問われる本質
ここが弱いと落ちる。
■ 上方乖離(実績>計画)
工程:進んでいる
ただし注意:コストが増えている可能性あり
■ 下方乖離(実績<計画)
工程:遅れている
ただし注意:コスト抑制の可能性もある
■ 傾きの変化
- 激に増加 → 人員投入・突貫工事
- 停滞 → 天候不良・資材遅延
出題パターン分析
よくある誤答
- 上=良い、下=悪い → ❌単純判断(※コスト面を含めた総合評価が必要)
正解
- 工程とコストを分けて考える
試験の核心
「進捗」と「コスト」を分離して判断できるか
コスト管理(EVM)
ここが合否を分ける最重要分野。
基本指標
- PV(計画値):Planned Value
- EV(出来高):Earned Value
- AC(実コスト):Actual Cost
基本式(絶対に外すな)
- CV = EV − AC(※コスト差異:Cost Variance)
- SV = EV − PV(※工程差異:Schedule Variance)
判定(ここが本番)
■ CV(コスト差異)
- +:予算内(利益)
- -:予算超過(赤字)
■ SV(工程差異)
- +:予定より進んでいる
- -:遅れている
一級で狙われる「比率」
ここが抜けると落ちる。
■ CPI(コスト効率)
- CPI = EV / AC
- 1以上 → 良好
- 1未満 → 悪化
■ SPI(工程効率)
- SPI = EV / PV
- 1以上 → 順調
- 1未満 → 遅延
超重要ひっかけ
頻出ミス
- EVとACの逆転 → ❌(※出来高を基準にすることを忘れない)
- 「ACが大きい=良い」 → ❌
試験の核心
「状態を日本語で説明できるか」
例:
- EV<AC → コスト超過
- EV<PV → 工程遅延
まとめ(視覚整理)
【原価分類】
- 現場管理費=現場に紐づく
- 一般管理費=会社全体
【S字カーブ】
- 上方乖離=進捗先行
- 下方乖離=進捗遅延
【EVM】
- CV=EV−AC
- SV=EV−PV
- CPI・SPIも重要
過去問から見える優先順位
- 【最重要】 原価分類(現場 vs 一般)、CV・SV・CPI・SPIの計算と判定
- 【次に重要】 S字カーブの乖離判断(進捗の良し悪し)
- 【次点】 実行予算の作成目的や時期などの用語
つまり、
「分類・乖離・数値判断」ができれば勝てる
私の結論
正直、ここが一番難しかった。
理由はシンプル。
なんとなく理解”が通用しないから
一級で必要なのはこれ。
- 原価を正確に分類できる
- グラフから状況を読める
- 数字で異常を判断できる
ここまで仕上げれば、
原価管理は確実に得点源になる
さらに得点を安定させたい人へ

最後に結論。
この分野は「慣れ」でしか仕上がらない
- 同じひっかけ
- 同じミス
- 同じ構造
これが繰り返される。
やるべきことは1つ。
過去問で“判断の反射”を作ること
式を覚えるだけでは足りない。
「この状態は何か?」を即答できるようにする
ここまで到達すれば、
本番でもブレずに正解できる
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